委員長あいさつ






執行委員長あいさつ

 

広島県高等学校教職員組合、執行委員長の城太志です。2023年度を迎え、ご挨拶させていただきます。
 新学期当初からの欠員、代替者不足、採用試験の倍率の低下など教員不足が社会問題となっています。報道によると教育長が、自ら街頭に立ち教員確保への協力を呼びかける取り組みをしている県があるようです。
 また、一部の教育委員会が、教員不足解消対策の一環として大学3年生を対象とした特別選考の設置、1次試験については大学3年生から受験を可能とするなどの試みが、2023年度より行われるようです。しかし、学生が学業に専念し安心して就職活動に取り組めることを目的として、政府が経済団体に要請する形で、採用選考活動開始を大学4年の6月1日から、正式な内定日を10月1日からとしています。教員不足解消に向けた教育委員会等のさまざまな取り組みは理解しますが、今回の対策が「青田刈り」の批判を受けないか懸念を持ちます。
 さらに衝撃を受けたのは、教員免許を持たなくても教員採用試験を受験できるようにする県についての報道です。特別免許を交付して、教壇に立たせようと考えているのかもしれませんが、免許制度の根幹を揺るがすものであり、教職の専門性をどう考えているのかが問われる問題です。
 そもそも、教員不足の原因は複合的なものであり、何か一つ対策を打てば解決するというものではありませんが、今こそ、大胆な処遇改善とともに、広く社会に認知された学校の働き方改革は欠かせないものです。
 文科省は、2022年に実施した教員勤務実態調査の速報値を早ければ、2023年度の4月下旬にも公表することとしています。2019年に改正された給特法の付帯決議に基づき、今後、文科省は給特法その他の関係法令の規定について、抜本的な見直しに向けた検討を加え、その結果に基づいた措置を講ずることになります。私たちが求める給特法の廃止及び抜本的な見直しにつなげていくために、取り組みを強化していかなければなりません。
 教員の膨大な長時間労働が社会問題化して久しくなっていますが、解消されるどころか、激化しています。今、学校が、そして教育が崩壊しようとしています。学校の働き方改革をなんとしても進める。私たちの取り組みを強力に進める。その決意を改めて、このご挨拶で述べさせていただきます。



 2023年4月1日

                                                                                   広島県高等学校教職員組合
                                                                                     執行委員長     城